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ウサギの子宮腺癌

2021年6月16日

以前に1度ブログ投稿しましたが、メスのウサギには子宮疾患が非常に多くみられます。

今回のウサギさんはエコーによる子宮の定期健診で、病変が明らかになり手術をすることになりました。

摘出した卵巣と子宮です。定期的な爪切りと一緒にエコー検査を受けていただいていたので、早期発見、早期治療をすることができました。

手術は基本的に日帰りです。

子宮腺癌の予防は基本的に若い年齢での不妊手術になりますが、麻酔のリスクを考慮し3~6か月に1回のエコーによる定期健診も良いと考えています。

犬の膵炎

2021年6月4日

13歳のダックスフンドさんが急性の嘔吐、食欲不振、元気消失で来院しました。

一般的な身体検査後、血液検査を実施すると膵炎を示唆するvリパーゼとCRP(炎症性蛋白)が顕著に上昇していました。

膵炎は症状(嘔吐、下痢、食欲不振、腹部痛など)や血液検査、画像診断(レントゲンん、超音波、CT)から総合的に判断して診断していきます。

右の膵臓は上の図のように胃と横行結腸の間にあるので、ここに超音波のプローブをあてていきます。

実際のエコー画像です。黒っぽく腫大した膵臓と鹸化した周囲の脂肪が白く描出されています。これにより膵炎と診断しました。

血液検査(vリパーゼ、spec cPL やCRP)の数字は膵炎以外の病気でも上昇することがあるので、診断において画像診断は非常に重要です。

膵炎の治療は対症療法が中心になります。

点滴で体を水和し制吐剤で吐き気を止めながら、低脂肪職の給餌を試みます。

また写真で示すような薬を使って炎症を抑えていきます。

炎症が進行すると死に至ることもある怖い病気ですので、嘔吐や食欲不振があるときは早めの受診をお願いします。

犬の歯髄炎と根尖膿瘍

2021年4月22日

眼の下の皮膚病変(かさぶた)を主訴にポメラニアンさんが来院されました。

眼の下の部分にかさぶたや排膿がある場合、根尖膿瘍を考慮して必ず歯をチェックしなければいけません。

根尖膿瘍とは歯の根っこ部分にまで感染がおよび、膿がたまる状態です。

治療は基本的に感染してしまった歯を抜き、抗生物質を内服します。

レントゲンでは赤矢印の部分に歯槽骨の吸収がみられました。

歯石を除去すると歯髄につながる穴がみつかりました。

おそらく歯の破折によるエナメル質の欠損部から歯髄に感染したと考えられます。

第4前臼歯は根が3本あるので分割して抜歯をします。

感染により歯根がいびつに変形し変色しています。

抜歯をして洗浄し、歯肉を縫合して終了です。

眼の下の皮膚病変がなかなか治らないときは、歯の病気の可能性もありますので、早めに動物病院を受診してください。

デグーの臼歯過長

2021年4月11日

以前デグーの疾患についての論文に触れましたが、中高齢のデグーで一番多い来院理由が歯のトラブルです。

症状としては食欲不振(特に柔らかいものを好む)、流涎、口の中の違和感(歯ぎしりや口をモゴモゴする)などがみられます。

レントゲン検査も診断に有用です。

専門書(Dentistry in Rabbits and Rodents)から抜粋した正常なデグーのレントゲンです。

当院で撮影したレントゲンです。

赤丸の部分の歯がトゲのように伸びています。

赤丸の部分に過伸がみられ、青丸(歯の根)の部分にも異常がみられます。

基本的に下顎の歯は内側(舌側に)に、上顎の歯は外側(頬側)にトゲを作るように過長し、痛みを生じます。

治療は全身麻酔下で歯の伸びた部分を切削し、ぐらついているものは抜歯します。

赤丸ところの歯が過長しており、青丸の部分の舌は壊死してしまっています。

左下の臼歯を削り終わったところです。

一度こういった状態になると定期的に全身麻酔をかけて過長歯を削らなければいけないことが多いので、牧草主食の食餌で臼歯の摩耗をうながし予防をしなければいけません。

幹細胞治療について

2021年4月9日

動物再生医療技術研究組合に登録が完了し、当院でも他家幹細胞治療を受けていただくことが可能になりました。

まだまだ治療効果は未知数な部分もありますが、難治性の病気における治療の選択肢が増えることはよいこだと考えています。現在以下の疾患が対象となっています。

詳しくはお問い合わせください。

 

アメリカンブリ犬の避妊手術

2021年3月23日

アメリカンブリさんが避妊手術で来院されました。

体重32キロでものすごい迫力ですが、とても穏やかで繊細な子でした。

犬舎が手狭なので待合でお迎えを待つことにしました。

大型犬の来院はめったにないですし、アメリカンブリさんは開院以来はじめてなのでテンションがあがってしまいました。

手術が無事に終わって良かったです。

動脈管開存症の外科手術

2021年3月19日

心雑音を主訴にブリーダーさんがマルチーズを連れて来院しました。

心基底部に連続性の雑音が聴取され、心エコー検査にて動脈管開存症と診断しました。

 

動脈管は生後間もなく閉鎖するのですが、これが閉じないのが動脈管開存症です。大動脈から右心に血液が流れ込んでしまい、右心の圧力が上昇してしまいます。これが続くと心不全により死に至ることもあります。

エコーで検出された右心に流れ込む血流です。

治療は手術で動脈管をしばって閉じることです。

 

動脈管を結紮糸で確保したところです。

この糸をしばって、胸を閉じれば手術完了です。

手術翌日にはICUから出て、食欲もでてきました。

1.0㎏しかない小さいからだで、大きな手術をがんばってくれました。

術後のエコー検査でも右心に流れ込む血流は消失しています。

これで健康な犬たちと同様の生活をおくることができます。

 

 

 

セキセイインコの甲状腺腫

2021年3月16日

1週間ほど前から調子が悪い(膨らんであまり動かない)セキセイインコさんが来院しました。呼吸が早く尾が上下していました。

このような状態の鳥を無理に保定すると急死してしまうことがあるので、

十分酸素化してから短時間で検査を行う必要があります。

腹部エコーで腹水貯留はなかったので呼吸器疾患、甲状腺疾患を考えレントゲン検査を実施しました。撮影時の保定でキューキューと声が出てしまう症状がみられたため、甲状腺や鳴管の病気を強く疑いました。

赤矢印で囲まれているところが腫大した甲状腺です。気管が押し下げられています。(精巣領域にmass陰影があるのも気になります。→精巣腫瘍疑い)

レントゲンでは胸郭の入り口付近に甲状腺腫大を疑わせる不透過性領域がみられ、甲状腺疾患(甲状腺腫または甲状腺癌)と診断し、内服を開始しました。

甲状腺腫は食餌中のヨード不足で甲状腺ホルモンが低下し、それを補おうと甲状腺が腫大して呼吸困難などの症状を起こす疾患です。

初週の内服はステロイド、甲状腺ホルモン、ヨードを含むビタミン剤を使用しました。

再診時は呼吸も正常にもどり、保定をしても声は出なくなってなっていました。

今後は水にヨードを含むビタミン剤を混ぜてもらい、再発しないように経過をみていきます。

鳥の呼吸に異常を感じたときは、様子をみないですぐに動物病院に連れていきましょう。

犬の眼瞼腫瘍摘出

2021年2月26日

眼瞼腫瘍は中高齢の犬で比較的よく遭遇する疾患で、治療は基本的に

外科的切除になります。多くは油を分泌するマイボーム腺由来の良性腫瘍です。

今回は病理診断名はマイボーム腺上皮腫でした。

図のように切除し縫合します。

しこりが大きくなるとまぶたを切除する距離が長くなり

眼裂が短くなってしまうので早めに切除したほうが良いです。

手術直後です。これぐらいだとまぶたの短縮もほとんど気になりません。

1週間はエリザベスカラーを付けて術部を保護します。

眼瞼の小さな腫瘍の切除であれば、当院でも対応可能ですので見つけた場合は早めにご相談ください。

猫の門脈シャントと術後発作②

2021年2月22日

門脈シャントの術後発作の原因は不明ですが、術前術後で血流の変化がなければ起こらなかったはずです。私が手術でセロファン設置の際の締め込みが強く、血流変化が起きてしまったのだと思います。

退院後、飼い主さんは流動食をこまめに与え、脱水改善のため門脈シャントの診断をしてくださった病院に点滴通院し、関節の拘縮を防ぐためにストレッチを毎日続けてくださいました。同居の兄弟猫さんもそれを支えるように見守ってくれました。

  

数日後、間欠的な小さな発作はあるものの、首を持ち上げられるようになりました。

最初は後ろ足は立たないものの、前足で進めるようになり

その数日後には後ろ足でふらつきもつれながらも立てるようになり、小さな発作も少しずつおさまっていきました。

東洋医学に精通した動物病院で針とお灸の治療もしています。

写真は自宅でお灸をしている様子です。

今では視覚がないものの、自由に歩き回れるまで回復しています。

体の毛づくろいなど猫らしいしぐさも見せてくれるようになりました。

回復の見込みが低いと判断した私の見立てが間違っていたのもあると思いますが、ここまでの回復はご家族の方の手厚い看護とあきらめない気持ちがなければなしえなかったことです。

2021年2月22日で術後5週間になりますが、現在も治療、リハビリは継続中です。歩き回るようになった分目が離せなくなったり、トイレがうまくいかなかったり大変なこともたくさんありますが、いつも一生懸命愛情をもって看護してくださっているご家族の方々に感謝しかありません。

 

 

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