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犬の眼瞼腫瘍摘出

2021年2月26日

眼瞼腫瘍は中高齢の犬で比較的よく遭遇する疾患で、治療は基本的に

外科的切除になります。多くは油を分泌するマイボーム腺由来の良性腫瘍です。

今回は病理診断名はマイボーム腺上皮腫でした。

図のように切除し縫合します。

しこりが大きくなるとまぶたを切除する距離が長くなり

眼裂が短くなってしまうので早めに切除したほうが良いです。

手術直後です。これぐらいだとまぶたの短縮もほとんど気になりません。

1週間はエリザベスカラーを付けて術部を保護します。

眼瞼の小さな腫瘍の切除であれば、当院でも対応可能ですので見つけた場合は早めにご相談ください。

猫の門脈シャントと術後発作②

2021年2月22日

門脈シャントの術後発作の原因は不明ですが、術前術後で血流の変化がなければ起こらなかったはずです。私が手術でセロファン設置の際の締め込みが強く、血流変化が起きてしまったのだと思います。

退院後、飼い主さんは流動食をこまめに与え、脱水改善のため門脈シャントの診断をしてくださった病院に点滴通院し、関節の拘縮を防ぐためにストレッチを毎日続けてくださいました。同居の兄弟猫さんもそれを支えるように見守ってくれました。

  

数日後、間欠的な小さな発作はあるものの、首を持ち上げられるようになりました。

最初は後ろ足は立たないものの、前足で進めるようになり

その数日後には後ろ足でふらつきもつれながらも立てるようになり、小さな発作も少しずつおさまっていきました。

東洋医学に精通した動物病院で針とお灸の治療もしています。

写真は自宅でお灸をしている様子です。

今では視覚がないものの、自由に歩き回れるまで回復しています。

体の毛づくろいなど猫らしいしぐさも見せてくれるようになりました。

回復の見込みが低いと判断した私の見立てが間違っていたのもあると思いますが、ここまでの回復はご家族の方の手厚い看護とあきらめない気持ちがなければなしえなかったことです。

2021年2月22日で術後5週間になりますが、現在も治療、リハビリは継続中です。歩き回るようになった分目が離せなくなったり、トイレがうまくいかなかったり大変なこともたくさんありますが、いつも一生懸命愛情をもって看護してくださっているご家族の方々に感謝しかありません。

 

 

猫の門脈シャントと術後発作①

2021年2月22日

ある朝1本の電話がかかってきました。

「猫の門脈シャントの手術をお願いできないでしょうか?」という内容でした。私自身以前ブログで書いたとおり、門脈シャントの手術執刀は猫で1回犬で1回の計2回しかなく、経験が非常に少ないことをお伝えしました。

飼い主さんは猫さんが診断から3年経過し食欲もなく弱ってしまっており、それでもいいからお願いしたいと来院されました。

検査をさせていただくと肝機能不全が進行して体調を崩したわけではなく、

胃腸の機能的イレウスによる食欲低下でした。もちろん胃腸の運動低下が

門脈圧の亢進に伴って起こることもありますが、それではないと判断しました。

流動食を与えながら静脈から点滴で胃腸を動かすお薬を流して治療すると、順調に回復してくれました。食欲と元気が戻ったので退院し、しっかり食べて体力をつけ、再度手術をすべきか否か考えてきていただくことになりました。

    

1度目の入院で静脈点滴と経鼻カテーテルで治療しているところです。

退院してしばらくして、食後のアンモニアを測定すると、やはり高値を示しました。肝性脳症はないものの食事制限のない普通の猫の生活をさせてあげたいという願いから、飼い主さんは再度手術の希望をされました。

門脈シャントの術後に原因不明の発作が起こることがあります。犬よりも猫でその発生が高く、診断されてからの経過が長いほど発生率が高いとされています。これについても飼い主さんは理解されており、手術を実施することにしました。

術式はシャント血管にセロファンを巻き付け、少しずつ血流を遮断する方法を選択しました。また術後発作が起きないようにレベチラセタムという抗けいれん薬を術前から内服しました。シャント血管を急に遮断しなければ、術後の発作の可能性もほぼないものだと考えていました。

        

手術は無事に終了し、翌朝には活動性や食欲もあり経過は非常に順調でした。

手術翌朝の様子です。

しかしその日の午後から活動性と食欲の低下がみられはじめ、夕方になると意識はしっかりしているものの、小さな発作(耳と顔の筋肉の痙攣)が続けてみられるようになってしまいました。

通常の抗けいれん薬投与では症状はおさまらず、静脈からの全身麻酔薬投与で発作をコントロールをしました。発作のない時間を15時間ほどつくり、麻酔薬を徐々に減らして覚醒させましたが小さな発作が間欠的に起こってしまい、再度麻酔薬を投与しつつ、今まで使用していない抗けいれん薬の併用も試みました。

しかし次の覚醒時も発作はおさまりませんでした。

飼い主さんに発作のコントロールが非常に難しく、命の危険があることをお伝えし、相談の末自宅に帰って療養することとしました。

発作のコントールができていない状態で自宅に帰り、回復する見込みは極めて難しい状態でしたが、飼い主さんはあきらめることなく看護を続けてくださいました。              

                         つづく

 

子猫の鎖肛 つづき

2021年1月28日

鎖肛の子猫さんの元気食欲がなくなってしまいました。

レントゲンを撮影すると、盲端になっている大腸に糞塊が停滞していました。

手術が必要であると判断し、実施しました。

エコーで皮下の直下に糞塊があることが確認し、皮膚を慎重に切開し、皮下の脂肪を除去すると大腸の漿膜面にアプローチできました。

ここに切開を加え、糞塊をある程度除去して大腸の切開部を皮膚に縫合しました。

陰部に開口している瘻管(今までうんちが漏れ出していた穴)については今回何もしませんでした。

左が術前、右が術後1週間の写真です。時々うんちの切れが悪くおしりにくっついていることがありますが排便は大方良好で、元気食欲も著しく改善しました。

便通が良くなるよう食事はベビーキャット用に可溶性繊維を含むフードを混ぜて与えています。

左が術前、右が術後1週間のレントゲン写真です。糞塊が停滞することはなくなりました。

まだ成長過程で何があるか分かりませんが、このまま順調に経過して欲しいです。

里親さん募集中です。

ハムスターの頬袋脱

2021年1月24日

口からピンクの物が飛び出していることを主訴にジャンガリアンハムスターさんが来院されました。頬袋脱です。

治療の方法としては返納して消炎剤を内服したり、手術で頬袋を固定縫合したり頬袋の損傷がひどい場合は摘出をします。

今回の子は腫れがひどく一部に壊死がみられたため、摘出手術を実施しました。

術前に酸素化している様子です。頬袋が脱出し浮腫を起こしています。

頬袋の根本の血管をレーザーで処理し摘出し、断端を縫合して終了です。

摘出した頬袋です。一部が黒く変色し壊死がみられます。

手術直後の様子です。ハムスターさんは覚醒が早くすぐに活発に動き出すことが多いです。無事に終わってよかったです。

子猫の鎖肛とオムツの作り方

2021年1月16日

生まれつき肛門がなく、変なところから便が出ていることを主訴にブリーダーさんが子猫を連れて来院しました。

上の写真のように肛門の穴がありません。

これは鎖肛といって直腸、肛門の発生異常です。

今回の子は図のように肛門がなく直腸から陰部につながった管から、持続的に便が出ています。直腸に便がたまってしまう場合は、手術をしなければいけません。

今のところ便は出ており、元気も食欲もバッチリなので経過観察中です。

ただしウンチは少しずつで続ける状態なので、外で遊ばせられるようオムツを着用することにしました。

薬局で売っているテーピング用のテープを用意し

猫の胴回りの長さ(1)とそれより少し短い長さ(2)に切ります。

おしりを覆える長さのテープ(3)とそれより短いテープ(4)もつくります。

(1)と(2)、(3)と(4)の粘着面をはり合わせます。

右の写真のように、半分テープをはがして貼り合わせるとやりやすいと思います。

(1)(2)をはり合わせたものをリング状にします。端は左の写真のようにアロンアルファをつけて補強します。

これに(3)(4)をはり合わせたものをつけ、しっぽの穴をあけたら出来上がりです。

あとは裏にペットシーツを切ったものを両面テープで貼り付けてはかせます。

履かせるのが少し大変ですが、着用後は気にすることなく走り回っています。

成長をまって手術をするかどうか検討中です。

今後里親さんを募集することになるので、ウンチの管理は大変ですが、興味のある方はスタッフに声をかけてください。

猫の腹腔内精巣摘出

2020年12月9日

猫の去勢手術で、潜在精巣(睾丸が正常な位置である陰嚢の中にない)に遭遇することは比較的稀です。

今回のケースは両側の睾丸がお腹の中にみつかり、摘出を実施しました。

エコー検査の写真です。

コーヒー豆みたいに写っているのが精巣です。

開腹してみつかった精巣です。あらかじめエコーで位置がわかっていたので

容易に発見できました。

お腹の中にある精巣は癌化しやすいので、摘出が推奨されます。

犬の門脈シャント

2020年12月5日

血尿を主訴に2歳のマルチーズさんが来院しました。

元気食欲に変わりはなく、尿に血が混じるようになったそうです。

また食後に少しぼーっとすることがあるとのことでした。

尿検査であまりみかけない尿酸アンモニウム結晶が検出されました。

この場合、血液中のアンモニアが高濃度になる血管奇形(門脈シャント)を疑わなければなりません。

エコー検査では小肝症がみられるものの、後大静脈に合流するシャント血管は描出されませんでした。

血液検査では食後のアンモニア、総胆汁酸の高値がみられ、門脈シャントの疑いがさらに高まりました。

ここで造影CT検査に進むのが順当なのですが、当院CT設備もなく費用面なども考慮し開腹下で造影検査をし、シャント血管をみつけて遮断することとなりました。

(さらに…)

犬猫の吸入治療

2020年11月26日

これからの季節気温が下がり、空気が乾燥するため犬や猫たちも呼吸器疾患が悪化する傾向にあります。

気管虚脱や慢性の気管支炎、鼻炎などは完治することが難しく、継続的な治療が必要になります。

この時超音波ネブライザーによる吸入治療は非常に有用です。

全身性の投薬に比べて、副作用も少なく直接薬剤を病変部(鼻腔や気管、気管支)に届けられるので効果的です。

衣装ケースを利用して霧化した薬剤を吸入させています。

湿度が上るのでフレブルさんやパグさんは熱中症にならないよう注意が必要です(保冷剤を入れて実施することもあります)。

少々高価ですが超音波ネブライザーを購入していただければ、ご自宅で継続的に吸入治療を実施することも可能です。

これが難しいようであれば、動物をお湯をはったお風呂の脱衣所で10分程度過ごさせるのも上部気道疾患の症状改善に効果があると思います。

室内に濡れたタオルを干したり、加湿器を使用したりするのもおすすめです。

犬の僧帽弁閉鎖不全

2020年11月24日

中高齢の犬で心雑音が聴取された場合、第一に僧帽弁逆流を疑います。

僧帽弁は左心房と左心室を分ける弁膜で、これが変性して閉まりにくくなると

左室から左房へ血液の逆流が起こります。

逆流量が増加すると左心房の圧力が上昇し、さらに上がると肺静脈の圧力も上昇し肺に水が漏れだします(肺水腫)。

僧帽弁閉鎖不全症の病態を把握するのに超音波検査は非常に有用です。

軽度な僧帽弁逆流が線状に描出されています。

この程度の逆流であれば投薬の必要はありません。

同じ子の9か月後のエコー画像です。

逆流量が増加し、左心房の拡大がみられます。

飼い主さんからみると症状は全くないとのことでしたが、投薬を開始しました。

心臓に雑音がある場合症状が明らかでなくても、その雑音の原因追求と病態把握のために超音波検査を受けることをお勧めします。

特にキャバリアさんチワワさんマルチーズさんは僧帽弁疾患が多いので注意が必要です。

 

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