食欲不振と元気消失、間欠的な嘔吐を主訴に、フェレットさんが来院されました。腹部を触診すると胃の位置に何か触知できるものがあり、エコー及びレントゲン検査にすすみました。
造影剤を飲ませて半日後のレントゲン写真です。
胃内異物が造影されています(赤い斜線部分)。
触診とエコーで胃の中の異物は診断可能ですが、大きさの確認や飼い主さんへの説明のために造影レントゲン検査をすることがあります(診断目的に造影剤を使用することはほとんどなくなりました)。
毛球を摘出し縫合が完了した胃です。
摘出された毛球です。
「毛球症」というとウサギを連想される方が多いと思いますが、意外とフェレットの毛球症は多いです。
中高齢で消化管型リンパ腫や炎症性腸疾患を発症し、胃腸の違和感からグルーミングが増えたり、副腎疾患を発症し脱毛が増えるたりすることも毛球症の原因として考えられます。
時々嘔吐して痩せてきた、便が黒っぽくべたっとしていることがあるなどの症状があるときは、元気があっても受診をお勧めします。