心雑音を主訴にブリーダーさんがマルチーズを連れて来院しました。
心基底部に連続性の雑音が聴取され、心エコー検査にて動脈管開存症と診断しました。
動脈管は生後間もなく閉鎖するのですが、これが閉じないのが動脈管開存症です。大動脈から右心に血液が流れ込んでしまい、右心の圧力が上昇してしまいます。これが続くと心不全により死に至ることもあります。
エコーで検出された右心に流れ込む血流です。
治療は手術で動脈管をしばって閉じることです。
動脈管を結紮糸で確保したところです。
この糸をしばって、胸を閉じれば手術完了です。
手術翌日にはICUから出て、食欲もでてきました。
1.0㎏しかない小さいからだで、大きな手術をがんばってくれました。
術後のエコー検査でも右心に流れ込む血流は消失しています。
これで健康な犬たちと同様の生活をおくることができます。