ウサギは歯牙疾患に伴い膿瘍を形成することがしばしばみられ、治療に苦慮することが多いです。
今回の下顎にできた膿瘍も中心に歯の根が認められ、抜歯処置しました。
レントゲンでは臼歯の根尖の過長と下顎骨の破壊がみられました。
口腔内にクリーム状の膿が感染した歯の周囲から出ているのがわかります。
皮膚を切開し膿瘍の壁を破ったところです、膿瘍壁をできる限り切除し洗浄したのち、中心に見えてきた歯を抜歯しました。
抜歯処置により歯列の乱れが起こる可能性が高いのですが、感染の温床になっていたため仕方ありませんでした。
処置後はヨダレもなくなり、食欲も回復しました。
今後は定期的に臼歯の過長に対する処置が必要になります。
歯牙疾患の予防はペレットは体重の2%程度の重量にとどめ、牧草中心の食餌が良いとされています。また硬すぎるペレットは咬合のズレを生じる可能性があるので避けたほうがよいです(歯が硬いもので削れるわけではありません)。