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ハムスターの頬袋脱

2021年1月24日

口からピンクの物が飛び出していることを主訴にジャンガリアンハムスターさんが来院されました。頬袋脱です。

治療の方法としては返納して消炎剤を内服したり、手術で頬袋を固定縫合したり頬袋の損傷がひどい場合は摘出をします。

今回の子は腫れがひどく一部に壊死がみられたため、摘出手術を実施しました。

術前に酸素化している様子です。頬袋が脱出し浮腫を起こしています。

頬袋の根本の血管をレーザーで処理し摘出し、断端を縫合して終了です。

摘出した頬袋です。一部が黒く変色し壊死がみられます。

手術直後の様子です。ハムスターさんは覚醒が早くすぐに活発に動き出すことが多いです。無事に終わってよかったです。

子猫の鎖肛とオムツの作り方

2021年1月16日

生まれつき肛門がなく、変なところから便が出ていることを主訴にブリーダーさんが子猫を連れて来院しました。

上の写真のように肛門の穴がありません。

これは鎖肛といって直腸、肛門の発生異常です。

今回の子は図のように肛門がなく直腸から陰部につながった管から、持続的に便が出ています。直腸に便がたまってしまう場合は、手術をしなければいけません。

今のところ便は出ており、元気も食欲もバッチリなので経過観察中です。

ただしウンチは少しずつで続ける状態なので、外で遊ばせられるようオムツを着用することにしました。

薬局で売っているテーピング用のテープを用意し

猫の胴回りの長さ(1)とそれより少し短い長さ(2)に切ります。

おしりを覆える長さのテープ(3)とそれより短いテープ(4)もつくります。

(1)と(2)、(3)と(4)の粘着面をはり合わせます。

右の写真のように、半分テープをはがして貼り合わせるとやりやすいと思います。

(1)(2)をはり合わせたものをリング状にします。端は左の写真のようにアロンアルファをつけて補強します。

これに(3)(4)をはり合わせたものをつけ、しっぽの穴をあけたら出来上がりです。

あとは裏にペットシーツを切ったものを両面テープで貼り付けてはかせます。

履かせるのが少し大変ですが、着用後は気にすることなく走り回っています。

成長をまって手術をするかどうか検討中です。

今後里親さんを募集することになるので、ウンチの管理は大変ですが、興味のある方はスタッフに声をかけてください。

猫の腹腔内精巣摘出

2020年12月9日

猫の去勢手術で、潜在精巣(睾丸が正常な位置である陰嚢の中にない)に遭遇することは比較的稀です。

今回のケースは両側の睾丸がお腹の中にみつかり、摘出を実施しました。

エコー検査の写真です。

コーヒー豆みたいに写っているのが精巣です。

開腹してみつかった精巣です。あらかじめエコーで位置がわかっていたので

容易に発見できました。

お腹の中にある精巣は癌化しやすいので、摘出が推奨されます。

犬の門脈シャント

2020年12月5日

血尿を主訴に2歳のマルチーズさんが来院しました。

元気食欲に変わりはなく、尿に血が混じるようになったそうです。

また食後に少しぼーっとすることがあるとのことでした。

尿検査であまりみかけない尿酸アンモニウム結晶が検出されました。

この場合、血液中のアンモニアが高濃度になる血管奇形(門脈シャント)を疑わなければなりません。

エコー検査では小肝症がみられるものの、後大静脈に合流するシャント血管は描出されませんでした。

血液検査では食後のアンモニア、総胆汁酸の高値がみられ、門脈シャントの疑いがさらに高まりました。

ここで造影CT検査に進むのが順当なのですが、当院CT設備もなく費用面なども考慮し開腹下で造影検査をし、シャント血管をみつけて遮断することとなりました。

(さらに…)

犬猫の吸入治療

2020年11月26日

これからの季節気温が下がり、空気が乾燥するため犬や猫たちも呼吸器疾患が悪化する傾向にあります。

気管虚脱や慢性の気管支炎、鼻炎などは完治することが難しく、継続的な治療が必要になります。

この時超音波ネブライザーによる吸入治療は非常に有用です。

全身性の投薬に比べて、副作用も少なく直接薬剤を病変部(鼻腔や気管、気管支)に届けられるので効果的です。

衣装ケースを利用して霧化した薬剤を吸入させています。

湿度が上るのでフレブルさんやパグさんは熱中症にならないよう注意が必要です(保冷剤を入れて実施することもあります)。

少々高価ですが超音波ネブライザーを購入していただければ、ご自宅で継続的に吸入治療を実施することも可能です。

これが難しいようであれば、動物をお湯をはったお風呂の脱衣所で10分程度過ごさせるのも上部気道疾患の症状改善に効果があると思います。

室内に濡れたタオルを干したり、加湿器を使用したりするのもおすすめです。

犬の僧帽弁閉鎖不全

2020年11月24日

中高齢の犬で心雑音が聴取された場合、第一に僧帽弁逆流を疑います。

僧帽弁は左心房と左心室を分ける弁膜で、これが変性して閉まりにくくなると

左室から左房へ血液の逆流が起こります。

逆流量が増加すると左心房の圧力が上昇し、さらに上がると肺静脈の圧力も上昇し肺に水が漏れだします(肺水腫)。

僧帽弁閉鎖不全症の病態を把握するのに超音波検査は非常に有用です。

軽度な僧帽弁逆流が線状に描出されています。

この程度の逆流であれば投薬の必要はありません。

同じ子の9か月後のエコー画像です。

逆流量が増加し、左心房の拡大がみられます。

飼い主さんからみると症状は全くないとのことでしたが、投薬を開始しました。

心臓に雑音がある場合症状が明らかでなくても、その雑音の原因追求と病態把握のために超音波検査を受けることをお勧めします。

特にキャバリアさんチワワさんマルチーズさんは僧帽弁疾患が多いので注意が必要です。

 

歯科ユニットの紹介

2020年10月26日

歯周病に罹患する動物たちは非常に多く

当院でも全身麻酔下での歯石除去や抜歯をする機会が増えています。

これらの処置を迅速かつ正確に実施するため、歯科ユニットを導入しており

ます。

 

高速回転の切削バーを使用して、歯の分割や歯槽骨の切削を迅速に行うことができます。

水とエアーを同時に噴出できるので、歯石除去後の口腔内をしっかり洗浄できます。

ラバーカップと研磨剤で歯石除去後の歯の表面を研磨し、スケーリングの仕上げをおこないます。

歯周ポケットには歯科用抗生剤を充填し、歯肉炎の改善をうながします。

歯石の付着、歯肉炎は口腔内の感染症です。

ここから全身性に感染が広がる(心内膜炎、腎炎、関節炎など)ことも示唆されていますので、歯周疾患は早期に治療することと予防が重要です。

専門的な矯正や歯髄の処置はできませんが、

基本的な歯科処置については対応可能ですので、口臭や歯周病でお困りの方はご相談ください。

 

フェレットの胃内毛球症

2020年10月20日

食欲不振と元気消失、間欠的な嘔吐を主訴に、フェレットさんが来院されました。腹部を触診すると胃の位置に何か触知できるものがあり、エコー及びレントゲン検査にすすみました。

造影剤を飲ませて半日後のレントゲン写真です。

胃内異物が造影されています(赤い斜線部分)。

触診とエコーで胃の中の異物は診断可能ですが、大きさの確認や飼い主さんへの説明のために造影レントゲン検査をすることがあります(診断目的に造影剤を使用することはほとんどなくなりました)。

毛球を摘出し縫合が完了した胃です。

摘出された毛球です。

「毛球症」というとウサギを連想される方が多いと思いますが、意外とフェレットの毛球症は多いです。

中高齢で消化管型リンパ腫や炎症性腸疾患を発症し、胃腸の違和感からグルーミングが増えたり、副腎疾患を発症し脱毛が増えるたりすることも毛球症の原因として考えられます。

時々嘔吐して痩せてきた、便が黒っぽくべたっとしていることがあるなどの症状があるときは、元気があっても受診をお勧めします。

 

血液凝固検査器を導入しました

2020年9月18日

血液凝固検査器COAG2を導入しました。

血液凝固(血が固まるかどうか)の検査を今までは外部検査機関に依頼をしていましたが、院内で迅速に測定することが可能になりました。

これにより侵襲性の大きな手術の術前評価や血栓症などの疾患の評価が充実しております。

犬の大腿骨頭壊死症

2020年9月1日

大腿骨頭壊死症は、虚血により大腿骨頭が壊死して変形し、股関節に痛みが出る病気です。

6か月から1歳程度での発症が多く、治療は基本的に手術で、痛みの原因になる変形した骨頭を切除します。

術前、術後のレントゲン写真です。

【術前】矢印:変形した骨頭 直線:骨切りライン

【術後】

術後は痛みを伴いますので、アイシングや消炎鎮痛剤をしっかり使用します。

また手術した足をできるだけ使うようにリハビリをすることも非常に重要です。

大腿骨頭壊死症は病態初期に発見して、手術により痛みをとることが早期の回復につながります。

若い犬が後ろ足に違和感を覚える場合は、様子をみずに一度動物病院を受診されてください。

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