いきんで糞がしづらいことを主訴にメスのコザクラインコさんが来院されました。お腹が張っており超音波検査で卵が確認されました。
3日ほど前から症状があったそうなので、用手にて圧迫排卵を試みましたが卵が出てきません。カルシウムを注射し保温をして、排卵するかどうか一晩自宅で見ていただくことにしました。
一晩経過しても排卵はなく、再度圧迫処置をしても卵は出てきません。
このため飼い主様と相談し、全身麻酔下で卵管を切開して卵を取り出し、同時に卵管を摘出することにしました。
術前の様子です。
卵管に卵が張り付いていたため、まず卵殻に穴をあけ中身を吸引し割った殻を少しずつ取り出しました。その後できる限り卵管を摘出しました。
摘出した卵管と卵です。
術後の経過は良好で2日後に退院し、元気食欲、排便も正常にもどってくれました。
雌のインコさんは発情に伴う卵巣、卵管の疾患が多いので、できる限り発情を抑えて飼育すると良いです。
今回ような外科手術は死亡のリスクが決して低くないため、予防が非常に大切です。
発情抑制には光制限(明るい時間を8~10時間にする)などがありますが、一番効果的なのが食餌の制限といわれていますので、体重が維持できるギリギリの量の給餌を与えるようにしましょう。