ゴールデンウィークの診療スケジュール
2023年3月24日
5月3日(水)午前9:00~12:00 午後14:00~17:00
5月4日(木) 休診
5月5日(金) 休診
5月6日(土)午前9:00~12:00 午後16:00~19:00
5月7日(日) 休診
5月5日(金)は獣医師研修会参加のため休診とさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
犬の乳腺腫瘍
2023年3月17日
胸の大きなしこりを主訴に高齢のTプードルさんが来院しました。
超音波検査、胸部レントゲンで明らかなリンパ節転移、肺転移がなかったので
摘出手術を実施しました。
しこりの底部は筋膜と癒着しており、同部の筋膜とともに摘出をしました。
今回は飼い主さんの希望で、腫瘤のみ切除しました。
手術直後の写真です。
乳腺腫瘍は大きくなると切除範囲も大きくなり、今回のように周囲組織に癒着することも
あるので、発見した場合は早めに摘出することが推奨されます。
また初回発情が来る前に避妊手術をすることで、乳腺腫瘍の発生確率をかなり抑えることができます。
犬の消化管内異物
2023年2月10日
突然の食欲廃絶と間欠的嘔吐を主訴に16歳のトイプードルさんが来院されました。
レントゲン検査で胃と腸の中に石と思われる異物が認められました。
超音波検査で異物は小腸で閉塞していることが分かり、直ちに摘出手術を実施しました。
レントゲンの所見です。
まずは胃の中の異物を摘出しました。やはり石でした。
続いて腸を切開して異物を摘出し縫合しました。
摘出した石を超音波検査の画像と比べると、当たり前ですがピッタリ一致しました。
何度も投稿していますが、突然の食欲の低下は異物の閉塞の可能性があるので注意が必要です。
また今回のケースでは異食症の原因となる基礎疾患はわかりませんでしたが、高齢になってからの
異物誤食は消化器疾患やホルモンの異常によって誘発されている場合もあります。
犬の消化管内異物
2023年1月21日
若いチワワさんが急な嘔吐と食欲廃絶を主訴に来院しました。
こんなときはやはり異物の誤食が疑われます。
超音波検査で拡張した小腸の先に黒く影をひく異物(黄色矢印)が認められました。
このため開腹手術実施しました。
異物が閉塞した手前の腸が拡張しています。
異物の直上を切開して、摘出しました。
ゴム製のキャップのようなものがでてきました。
切開部位を縫合して手術終了です。
術後の経過は良好で、食欲も翌日には回復し、3日目に退院できました。
急性の嘔吐、食欲低下は異物誤食の可能性があるので、様子をみずに受診しましょう。
トイプードルの膝蓋骨内方脱臼
2022年11月22日
重度の膝蓋骨内方脱臼(グレード4)はできる限り早期に矯正手術実施し、
成長過程で筋肉の走行の異常や骨の変形が起こらないようにするのが重要です。
今回手術を実施したのは2か月齢600gのトイプードルさんです。
膝の正面にないといけない膝蓋骨(赤)が、脛骨粗面(黄色)と伴に内方(ピンク)に変位しています。
これにより筋肉の走行も変位し、時間が経過すると骨が変形してしまいます。
膝蓋靭帯の付着部である脛骨粗面をメスで切離し角度を外方に変位させます。
骨が非常に柔らかいので角度を変えた脛骨粗面は合成吸収糸で固定しました。
続いて膝蓋骨を収める溝をつくります。
骨が柔らかいのでメスで少しづつ骨を削って作成しました。
赤で示した膝蓋骨を→方向に移動させます。
膝蓋骨を作成した溝にはめこみ、外側の余剰な関節包を切除後縫合し、皮下織、皮膚を縫合したら手術終了です。
術後のレントゲンです。両側の膝蓋骨の位置が矯正され正面に位置しています。
この子は2週間間隔で両ひざに同様の手術を実施しました。
無事に終わって本当に良かったです。
ウザギの膿瘍
2022年11月8日
ウサギは歯牙疾患に伴い膿瘍を形成することがしばしばみられ、治療に苦慮することが多いです。
今回の下顎にできた膿瘍も中心に歯の根が認められ、抜歯処置しました。
レントゲンでは臼歯の根尖の過長と下顎骨の破壊がみられました。
口腔内にクリーム状の膿が感染した歯の周囲から出ているのがわかります。
皮膚を切開し膿瘍の壁を破ったところです、膿瘍壁をできる限り切除し洗浄したのち、中心に見えてきた歯を抜歯しました。
抜歯処置により歯列の乱れが起こる可能性が高いのですが、感染の温床になっていたため仕方ありませんでした。
処置後はヨダレもなくなり、食欲も回復しました。
今後は定期的に臼歯の過長に対する処置が必要になります。
歯牙疾患の予防はペレットは体重の2%程度の重量にとどめ、牧草中心の食餌が良いとされています。また硬すぎるペレットは咬合のズレを生じる可能性があるので避けたほうがよいです(歯が硬いもので削れるわけではありません)。