犬の口腔内メラノーマ(悪性黒色腫)
2022年1月10日
メラノーマは黒い色素をつくるメラノサイトという細胞が癌化して増殖する病気です。特に口の中にできるものは悪性のものが多いといわれています。
高齢になってから発生するケースが多いのですが、2歳に満たない子でも発生がみられました。
治療は基本的に外科的切除で、早期発見、早期治療が大切になります。
写真のような黒くてつやのあるしこりが口の中に見られた場合は、小さくても様子をみないで動物病院を受診されてください。
これは摘出したメラノーマの病理組織です。左半分の茶色のところが腫瘍細胞で
正常な細胞に浸潤しています。
ヘラクレスオオツノカブトムシ
2021年11月22日
ヘラクレスカブトが蛹の期間を経て羽化したのですが、羽化不全になってしまいました。
でもやっぱりかっこいいです。
子供のころ図鑑でみていた虫が目の前にいて夢のようです。
なんとか繁殖させたいです。
冬の新作ニット帽
2021年11月13日
猫のいちごちゃんに新作のニット帽(ハットタイプ)ができたと
飼い主さんから写真が届きましたので、
許可を得て以前の作品とともに掲載しまーす。
できがよすぎます。
個人的にはヒマワリが一番好きです。
コザクラインコの卵詰まり
2021年10月29日
いきんで糞がしづらいことを主訴にメスのコザクラインコさんが来院されました。お腹が張っており超音波検査で卵が確認されました。
3日ほど前から症状があったそうなので、用手にて圧迫排卵を試みましたが卵が出てきません。カルシウムを注射し保温をして、排卵するかどうか一晩自宅で見ていただくことにしました。
一晩経過しても排卵はなく、再度圧迫処置をしても卵は出てきません。
このため飼い主様と相談し、全身麻酔下で卵管を切開して卵を取り出し、同時に卵管を摘出することにしました。
術前の様子です。
卵管に卵が張り付いていたため、まず卵殻に穴をあけ中身を吸引し割った殻を少しずつ取り出しました。その後できる限り卵管を摘出しました。
摘出した卵管と卵です。
術後の経過は良好で2日後に退院し、元気食欲、排便も正常にもどってくれました。
雌のインコさんは発情に伴う卵巣、卵管の疾患が多いので、できる限り発情を抑えて飼育すると良いです。
今回ような外科手術は死亡のリスクが決して低くないため、予防が非常に大切です。
発情抑制には光制限(明るい時間を8~10時間にする)などがありますが、一番効果的なのが食餌の制限といわれていますので、体重が維持できるギリギリの量の給餌を与えるようにしましょう。
ウサギの子宮腺癌②
2021年10月6日
6歳のウサギさんが血尿を主訴に来院されました。
前にもお話した通り、ウサギの子宮疾患の発生率は非常に高く
5歳以上で80%という報告もあります。
一般的な身体検査の後、膀胱と子宮の状態を超音波及びレントゲン検査で確認ました。
超音波検査所見です。子宮に大きな腫瘤(黒い部分)が確認されました。
レントゲンでも同様に石灰沈着を伴う腫瘤が確認されました。(赤丸)
これらの所見から子宮腺癌が強く疑われます。
明らかな肺転移所見がないので、卵巣子宮の外科的切除を実施しました。
摘出した子宮です。
術後は3か月をを目安に転移がないかをチェックしていきます。
血尿が出た場合は、一度おさまってもはやめに動物病院を受診されてください。